TOP MESSAGE

トップメッセージ

株式会社トリニティ
代表取締役

天野 雅之

エンジニアのための会社を設立する選択肢しかなかった。

わたしが小学5年生のときに父親が、いまのグループ会社である天野工業を設立しました。機械加工の町工場だったので人手が足りず、手伝っていたわたしにとって、ものづくりは生活の一部でした。そうした環境で育っていくにつれて、いつからか父親からは「技術者になれ」という暗黙のミッションが課されたわけです。しかし、理系の勉強が苦手だったので、技術者にはなれませんでした。当時は申し訳なさのような気持ちをかかえながら、文系の大学に進学しました。卒業後、いくつかの会社を経験し、設立前にエンジニアの派遣会社に就職しましたが、そのときにはじめてエンジニア派遣について知りました。エンジニアという専門職でありながら、彼らが派遣だけで定年まで働けるかとなったら、たぶんそれはむずかしい。当時はアウトソーシングという業界で働く人が定年になるまで働く未来像が見えなかった。だったら、自社内で仕事をつくりだすしかない。自分はエンジニアになれなかったけれども、エンジニアのためのよりよい環境をつくったり、支援したりすることで、技術開発の一端を担えるんじゃないかと思うようになりました。そうすると、エンジニアのための会社を設立するという選択肢しかありませんでした。こだわったのは、自社工場を持つこと。工場は技術開発のベースであり、エンジニアのベースでもあります。だからこそ、こだわり抜いた工場を建てて、現在は新たなビジネスにつながる第二工場の建設も進めています。

設立後、半年でリーマンショックを経験。

トリニティを設立した当時は業界がすごく活況で、未経験の人でもエンジニアになりたい人がいればイチから育てますというぐらい、余裕と勢いがありました。しかし半年後に、あのリーマンショックが起こった。本当に、一時は倒産寸前でした。税理士からは、少し余力を残してつぶすか、地獄を見るかもしれないけど、やれるだけやってみるかの二択しかないと言われました。しかし、わたしのなかでは、まだはじまってもいないのに終わるもなにもないだろうと。やりたいこともまだなにひとつできていないわけですから。当時、20人ほどいた社員もみんな危機感を感じて、エンジニアも含めた全員で営業に走りまわっていました。そのときに会社を辞めるという選択をせず、いっしょに奮闘してくれたメンバーには心から感謝しています。かなり厳しい時期が3年ほどつづきましたが、本当に長く感じました。当時、営業先のあるお客さんから「新しい会社がいまの最悪の状況を乗り越えることができれば、きっと最高の会社になれると思う」と言われたことがいまでも印象に残っています。

メーカーになることは、エンジニアのプライドにつながる。

メーカーをめざすという目標は、設立当時から持っていました。社員はもちろん、新入社員にもメーカーをめざしていることをしっかり伝えたうえで入社してもらっています。派遣だけやっている会社から派遣されるのと、メーカーとしてものをつくりだせる実力がある会社から派遣されるのとでは、エンジニアの自信の持ち方がちがいます。プライドを持って派遣先で働くことができますし、お客さまからもより高い信頼を得られます。もちろん、社員からも、メーカーになるべく、自社開発を望む声が多いです。自社工場を建てたのもメーカーになるためですし、働き方に多様性を持たせるためでもあります。派遣でも活躍できて、自分たちで開発もできて、自社工場で製造もできる。いいことずくめです。ただ、エンジニアもソフトウェア系と機械系では、実体があるもの、ないものをそれぞれ開発しているわけですから、わたしからすると考え方がまったくちがいます。同じ目標を持って、同心円で進めていくのは大変ですけど、やりがいはあります。現在、メーカーとしての自社開発も少しずつですが、期待どおりに進んでいます。父親からの言葉で、「社員が1,000人になっても、自社開発しないうちは下請けだ」というのをよく憶えています。

株式会社トリニティ
代表取締役天野 雅之

いい人からしか、いいものは生まれない。

まず社員が成長し、成長した社員の集合体が会社です。さらに、会社が成長することで得られた付加価値をお客さまに提供して、お客さまにもさらに成長していただく。この好循環をつくりだしていくことが、社名の由来であり、企業理念でもある三位一体の考え方です。松下幸之助は「ものをつくる前に人をつくる」と言っていましたが、同じように、いい人からしかいいものはつくれないというのがわたしの考え方です。人間性は、パソコンでいえばOSです。なので、弊社の採用方針は人間性を重要視していますし、人間力の向上を社員教育の最重要課題としています。専門分野の教育については、会社から押しつけるのではなく、現場をより深く知るエンジニアの意見を吸いあげながら、勉強会や研究会などを開催しています。成長したい、エンジニアとして個人でも勝負できる技術力をつけたい人にとって、トリニティという会社はあっていると自負しています。また、中小企業で一体感を持って、自分と会社の成長を重ねあわせたい人も同様です。わたしは、エンジニアの成長をかならず見ています。わたし自身も、いい会社で働きたいという人よりも、いい会社にしたいという人と働きたいと思います。

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